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転職と退職金・確定拠出年金の手続き【2026年】

転職を考えるとき、見落とされがちなのが退職金と確定拠出年金(DC)のお金です。「退職金にかかる税金」「企業型DCの移し方」「脱退一時金は受け取れるのか」を、国税庁・厚生労働省・iDeCo公式の情報にもとづいて、ミドルエンジニア向けに整理しました。手続きを誤ると手数料の無駄や税負担増につながるため、転職前に押さえておきましょう。

データ調査時点: 2026年6月 | 出典: 国税庁 No.1420 退職所得、厚生労働省 年金資産の持ち運び(ポータビリティ)、iDeCo公式(国民年金基金連合会)

求人数・年収などの数値は調査時点の公開情報に基づきます。最新の情報は各サービスの公式サイトをご確認ください。 当サイトの評価基準は記事制作ポリシーをご覧ください。

① 退職金にかかる税金(退職所得控除)

退職一時金は「退職所得」として、給与などとは分けて課税されます(分離課税)。計算式は次のとおりです。

退職所得 = (退職金 − 退職所得控除額)× 1/2

退職所得控除額:

  • 勤続20年以下 … 40万円 × 勤続年数(80万円に満たない場合は80万円)
  • 勤続20年超 … 800万円 + 70万円 ×(勤続年数 − 20年)

※勤続年数に1年未満の端数があるときは1年に切り上げ。

勤続年数退職所得控除額
勤続10年40万円 × 10 = 400万円
勤続20年40万円 × 20 = 800万円
勤続25年800万円 + 70万円 × 5 = 1,150万円
勤続30年800万円 + 70万円 × 10 = 1,500万円

勤続年数が長いほど控除が大きくなり、税負担が軽くなります。なお、役員等としての勤続5年以下の退職金や、勤続5年以下(役員等以外)で控除後300万円を超える部分は「1/2」計算が使えないなどの例外があります。

出典:国税庁 タックスアンサー No.1420「退職金を受け取ったとき(退職所得)」(2026年6月確認)。具体的な税額は個別事情で変わるため、正確な計算は税務署・税理士にご確認ください。

② 企業型確定拠出年金(DC)の移換

企業型DCに加入していた人が転職・退職すると、年金資産を移換(持ち運び)する手続きが必要です。

  • 転職先に企業型DCがある → 転職先の企業型DCへ移換
  • 転職先に企業型DCがない/自営・専業になるiDeCo(個人型)へ移換

⚠ 6ヶ月放置すると「自動移換」のデメリット

退職後6ヶ月以内に移換などの手続きをしないと、資産が国民年金基金連合会へ自動移換されます。自動移換されると、(1) 資産が運用されない(現金のまま)、(2) 管理手数料がかかる、(3) その期間は通算加入者等期間に算入されず、受給開始年齢が遅れる可能性がある、というデメリットがあります。転職時は早めに手続きしましょう。

出典:厚生労働省「離職・転職時等の年金資産の持ち運び(ポータビリティ)」、iDeCo公式(2026年6月確認)。自動移換時や移換時の手数料額は改定されることがあるため、最新額は運営管理機関でご確認ください。

③ 脱退一時金は原則受け取れない

「転職するから確定拠出年金を現金で受け取りたい」という相談は多いですが、確定拠出年金は原則60歳まで引き出せません。脱退一時金として受け取れるのは、法令の要件(おもに次)をすべて満たす限られた場合だけです。

  • 企業型DCの加入者でない/iDeCoに加入できない者であること
  • 通算拠出期間が短い(5年以下)、または資産額が25万円以下であること
  • 最後に加入者資格を失った日から2年以内 など

通常の転職では要件を満たさず、「転職を理由に受け取る」ことは基本的にできません。仮に受け取れる場合でも老後資産を取り崩すことになり、税制上の優遇も小さいため、移換して運用を続けるのが原則です。

出典:iDeCo公式「給付の種類」(2026年6月確認)。要件の詳細は運営管理機関にご確認ください。

④ そもそも退職金制度は「ある会社・ない会社」がある

退職金の支給は法律上の義務ではなく、企業の任意制度です(ただし就業規則などで支給基準を定めている場合は支払義務が生じます)。IT・ベンチャー企業では、退職金がない代わりに給与・賞与に上乗せする「前払い制度」や、退職金の代わりに企業型DCのみという会社もあります。転職先を選ぶ際は、額面年収だけでなく退職給付の有無・形態(一時金/DB/DC/前払い)も確認しましょう。確定拠出年金(DC・iDeCo)は持ち運びしやすいため、転職回数が多くなりがちなエンジニアほど、その仕組みを理解しておくことが大切です。

参考:労働基準法(退職手当の定めがある場合の明示・就業規則)。2026年1月以後はDC一時金と退職金の受給時期に関する税制(いわゆる「10年ルール」)の改正も施行されています。受給の順序・時期は、額が大きい場合は専門家へご相談ください。

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よくある質問

転職すると退職金はどうなりますか?

勤続年数に応じた退職一時金を受け取るのが一般的ですが、退職金制度は法律上の義務ではなく企業の任意制度です。企業型確定拠出年金(DC)の場合は、現金で受け取るのではなく、転職先のDCやiDeCoへ「移換」して運用を続けるのが原則です。退職金制度がない企業(特にIT・ベンチャー)も珍しくありません。

退職金にはどれくらい税金がかかりますか?

退職一時金は『退職所得』として、給与などと分けて課税される(分離課税)優遇があります。退職所得=(退職金−退職所得控除)×1/2 で計算され、退職所得控除は勤続20年以下で40万円×勤続年数(最低80万円)、20年超で800万円+70万円×(勤続年数−20年)です。勤続年数が長いほど控除が大きく、税負担が軽くなります(国税庁No.1420)。

企業型DCは転職時に何をすればいいですか?

転職先に企業型DCがあれば転職先のDCへ、なければiDeCoへ移換します。重要なのは、退職後6ヶ月以内に手続きをしないと国民年金基金連合会へ『自動移換』されてしまう点です。自動移換されると、資産が運用されないまま管理手数料だけがかかり、その期間は通算加入者等期間にも算入されません。必ず期限内に手続きしましょう。

確定拠出年金を脱退一時金として受け取れますか?

原則として受け取れません。確定拠出年金は原則60歳まで引き出せず、脱退一時金は法令の要件(通算拠出期間が短い・資産額が25万円以下 など)をすべて満たす限られた場合のみです。『転職するから受け取る』は基本的にできません。仮に受け取れても老後資産を取り崩すことになり、税制上も優遇が小さいため、移換して運用を続けるのが原則です。

退職給付も含めて転職先を見極めよう

額面年収だけでなく、退職金・企業型DC・各種手当まで含めた「実質的な条件」で比較するのが失敗しない転職のコツです。IT特化エージェントに相談して条件を引き出しましょう。

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