インフラエンジニアからSREへの転職|移行ステップ
最終更新: 2026年6月 | 運用経験を「信頼性を改善する力」に翻訳して転職する
SRE(Site Reliability Engineering)は、Googleが提唱した「ソフトウェアエンジニアリングで運用課題を解く」専門職です。サーバー・ネットワークの運用経験を持つインフラエンジニアにとっては、現職の蓄積を活かしやすいキャリアパスです。本記事は「どう転職活動を進めるか」に特化し、スキルギャップの可視化・在職中の移行ステップ・職務経歴書の書き換え例を具体的に解説します。
データ調査時点: 2026年6月 | 出典: 厚生労働省 job tag(システムエンジニア・基盤)、レバテック公表 年代別平均年収(2025年)、doda 2024年度決定年収レポート(パーソルキャリア)
求人数・年収などの数値は調査時点の公開情報に基づきます。最新の情報は各サービスの公式サイトをご確認ください。 当サイトの評価基準は記事制作ポリシーをご覧ください。
結論:運用経験は土台になる。鍵は「コードで解く力」
- ・サーバー運用・障害対応の経験はそのまま活きる。SREは運用知見のあるミドル層が評価されやすい。
- ・ギャップが大きいのは「プログラミング」と「SLO設計」。手作業をコード化した実績が決め手になる。
- ・職務経歴書は『監視した・対応した』から『信頼性をどう改善し、何を自動化したか』へ書き換える。
スキルギャップ比較表(インフラエンジニア vs SRE)
現職とのギャップを可視化し、「そのまま活きる力」と「埋めるべき力」を切り分けます。◎=十分/○=経験あり/△=補強が必要、の目安です。
| 比較軸 | インフラEng(現職) | SRE(転職先) | ギャップ |
|---|---|---|---|
| サーバー・ネットワーク運用 | ◎ 構築・運用が主業務 | ○ 前提知識として活きる(信頼性視点が加わる) | 活用 |
| プログラミング(Go/Python) | △ シェル中心で本格開発は少なめ | ◎ 運用自動化をコードで実装する | 大 |
| IaC(Terraform等) | ○ 導入現場では経験あり | ◎ インフラ全体をコード管理する前提 | 中 |
| 監視・SLI/SLO設計 | ○ 死活監視・アラート運用の経験 | ◎ SLO設計とエラーバジェット運用が中核 | 中 |
| ソフトウェアエンジニアリング思考 | △ 手順書・手作業文化が残る場合も | ◎ トイル削減を開発として進める姿勢 | 大 |
| 障害対応・復旧設計 | ◎ 一次対応・復旧の実務経験 | ◎ ポストモーテムと再発防止の自動化まで | 活用 |
必要スキルの身につけ方
Go/Pythonで運用自動化ツールを作る
SREはソフトウェアエンジニアリングで運用課題を解く職種です。アラート集約や定期バッチ、簡易な内製ツールをGoやPythonで実装し、GitHubで公開できる形にしておくと、インフラ出身で不足しがちな『開発で解決する力』を示せます。
IaCとCI/CDを自分の手で組む
Terraformでインフラをコード化し、GitHub Actions等でplan/applyを自動化するワークフローを作ります。手作業を一つずつコードへ置き換えた経験は、SREの本質である『トイル削減』の実績として語れます。
コンテナ・Kubernetesの運用経験を積む
Docker/Kubernetes(EKS・GKE)の運用は多くのSRE求人で前提です。個人環境でクラスタを立て、デプロイ・ローリングアップデート・リソース制限の設計までを一通り経験しておくと、面接での具体性が増します。
監視基盤とSLO設計に触れる
Prometheus+Grafana、Datadog、OpenTelemetryなどでメトリクス・ログ・トレースを統合し、SLI/SLOを定義する流れを経験します。『どの指標を、なぜそのしきい値にしたか』を説明できると、SREとしての思考が伝わります。
移行ステップ(在職中にできる準備)
SREへの移行は、今の運用業務の中で実績を作りながら進めるのが効率的です。退職してから学ぶより、現職の課題を題材に「信頼性を改善した経験」を積み上げるほうが説得力が増します。
現職でトイルを1つ自動化する
今の運用で繰り返している手作業(トイル)を洗い出し、1つでもスクリプト/IaCで自動化します。障害対応・改善の記録を課題→対応→再発防止の構造で残すと、職務経歴書の素材になります。
スキル証明づくり
Terraform+CI/CDの個人プロジェクトをGitHubで公開し、Go/Pythonの運用自動化ツールをポートフォリオ化します。AWS SAP・GCP Professional Cloud Architect・CKAなど強みを補強する資格を1つ選んで取得を進めます。
応募・面接フェーズ
IT特化型エージェントでSRE求人の要件レベルをすり合わせ、職務経歴書を『運用実績』から『信頼性をどう改善したか』へ書き換えます。過去の障害対応をSLO・エラーバジェットの言葉で説明できるよう整理します。
職務経歴書での見せ方(Before/After例文)
インフラ運用の経歴は、書き方次第でSRE適性が大きく伝わります。ポイントは「やったこと」ではなく「信頼性をどう改善したか/何を自動化したか」を、定量と再発防止の視点で書くことです。
Before(運用作業の羅列)
AWS上のWebシステムの運用保守を担当。サーバーの監視、障害発生時の対応、定期的なバックアップ、ミドルウェアのバージョンアップを実施。手順書に沿ってメンテナンス作業を行った。
After(信頼性改善と自動化を主語に)
AWS上のWebシステムの信頼性向上を担当。手動のデプロイ・バックアップ作業をTerraformとPythonでコード化し定常作業の工数を削減。主要APIにSLI/SLOを定義してダッシュボードを整備し、アラート優先度を見直したことで夜間の不要アラートと対応負荷を低減。障害対応では原因分析と再発防止策の自動化まで担当した。
※数値・規模感は実績に置き換えてください。型は職務経歴書の書き方ガイドを参照。
年収の考え方
SRE単独の公的な平均年収統計は確認できないため、ここではミドル層全体の客観データを基準に考えます。レバテックが公表した正社員SEの年代別平均年収(2025年)は30代で約499万円、40代で約618万円です。クラウドとコーディングを両立できるSRE人材は希少性が高く、このレンジの上側を狙える可能性があります。
転職者全体の傾向では、doda(パーソルキャリア)の2024年度決定年収レポート(2025年5月公表)で、IT・通信の平均決定年収が469万円(2023年度)→486万円(2024年度)と推移し、転職者の約6割が年収アップを実現しています。具体的な提示レンジは企業・経験で幅が大きいため、複数社のオファーを比較して市場感をつかみましょう。
活動で使うエージェント
レバテックキャリア
IT/Web特化で技術に詳しいアドバイザーが在籍。SRE系ポジションの要件をすり合わせやすく、インフラ出身者の強みを活かす求人提案に向きます。
ビズリーチ
ハイクラス・スカウト型。SRE求人のスカウトを受けることで、自分の運用経験が市場でどう評価されるかを客観的に把握できます。
リクルートエージェント(IT)
国内最大級の求人数。大手からスタートアップまでSRE/インフラ求人を幅広く比較でき、選択肢を確保しやすい。
30代・40代の進め方
SREは、障害を経験し運用の難所を知っているほど判断の質が上がる職種です。ミドル層が積み重ねた「落とさない設計」「復旧の段取り」「チームでの運用回し」はそのままSREの強みになり、年齢を理由に諦める必要はありません。
一方で、若手と差がつきやすいのが「手作業をコードに置き換える習慣」です。運用文化が手作業中心だった場合は、IaCと自動化スクリプトの実績を在職中に1つでも作り、職務経歴書で見せられるようにしておきましょう。年収交渉の前提として、30代の年収相場・40代の年収相場も把握しておくと判断しやすくなります。
よくある質問
Q. インフラエンジニアからSREへの転職は可能?▾
Q. SREとインフラエンジニアの違いは?▾
Q. プログラミングはどれくらいできれば応募できる?▾
Q. 資格は必要?▾
Q. オンコール対応は大変?▾
Q. 30代・40代からのSRE転職は遅い?▾
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